
地域おこし協力隊『海道しるべ(※1)観光農園サポーター』を募集いたします。テーマは、食と旅(観光)。豊かな食の宝庫として知られる鹿島市において、6次産業(※2)化の一例となる観光農園をサポートしていくために、
① 市有の産業活性化施設「海道しるべ」の活用促進
② 観光農園の体験情報の発信
③ 観光農園の体験コースづくり
④ 食にまつわるイベントの開催
などの業務を推進していただきます。
イメージしている人物像は次⇩のようになります。
◎ 食べるのも、食べてもらうのも好きな方
◎ 旅行を計画することが好きな方
◎ 人を楽しませる、喜ばせることが好きな方
◎ まだないものを、新しくつくっていくことにときめく方
◎ 自然ゆたかな地域で暮らしたい方
「それは私です!」という方は、ぜひご応募いただければと思います。こちらは、佐賀県南西部にある鹿島市。東側は有明海、西側は多良岳山系に囲まれた地域固有の自然環境を育むこの町より、地域を愛する人たちの熱い想いに共感を寄せてくれる方をお待ちしております。担当は鹿島市産業支援課の片渕と松丸です。よろしくお願いいたします。
(※1)海道(みち)しるべ:鹿島市が所有する6次産業活性化施設のこと。施設内に食品加工の研究室が設置。真空凍結乾燥機、製粉機、オーブン、急速冷凍冷蔵庫など、食品加工に必要な専門の機材が多数導入されており、市内事業者を対象とした省コストでの6次産業化をサポートしている。観光農園の窓口機能も担っていく予定。
(※2)6次産業:農林水産業(1次)と加工(2次)と販売・サービス(3次)を組み合わせて、地域で食の付加価値を高める取り組みのこと。たとえば観光農園やお菓子づくり教室などもその一例となる。

産業活性化施設「海道しるべ」の前で
■ミッション:鹿島市内に点在する食の魅力を、旅の体験に再設計する。
鹿島市に限った話ではありませんが、現代社会における地域の農業には、大きな課題があります。担い手不足。高齢化にともなう耕作放棄地の拡大。里山の荒廃による獣害の拡大。などなど。こうした課題を解決するための手段として、鹿島市では6次産業の開発と推進によって、地域の「稼ぐ力」の強化を目指しています。
特に注目しているのが、観光農園事業。観光農園とは、農園を観光の目的で訪れていただくこと。産地を訪れ、産地で食べる。生産者と触れ合い、将来的にも永く続くお付き合いが始まっていく。農村と人とをつなぐための活動は、収益性の面だけでなく、地域の農業を将来にわたり守り育てていくための「縁」をつくる機能も担うはずです。
すでに市内には観光農園を単独で始めた事業者がいくつか現れ始めています (本文後半でいくつか事例紹介します) 。が、現時点では個別の活動が点在している状況のため、次のような悩みがあるのも確か。
△ 観光農園としての認知があまりない (PRが充分ではない)
△ それぞれ孤立している (1日あるいは複数日程で市内を巡るコースになっていない)
△ 観光農園を始めたい農家さんも始め方がわからない
△ 収益性をしっかり検討できていないケースもある
こういった状況の中で、今回募集する地域おこし協力隊の役割は「鹿島の食と旅をプロデュース」することです。
◎ 地域の食の魅力を発見、発掘する
◎ 生産者同士をつなぎ、生産者の魅力を発見、発掘する
◎ 観光農園を始めたい農家さんに伝えていくためのノウハウを集め共有していく
◎ 収益性を確保するための観光農園体験コースを確立し、旅行業者との協力で商品化する
観光農園に取り組む魅力的な点と点を結ぶことで、地域の魅力を大きく引き上げる。そのために、あなたならどんな旅行、ツアーを企画するでしょうか。農家さんや市担当職員の私たちと協働しながら、行ってみたくなる観光農園づくりに尽力していただけたらと思います。

海道しるべの外の景色。海のすぐ側。小高い丘の上に、穏やかな農村風景が連なります。ヤギも飼っています。

海道しるべの調理施設。食品加工に必要な調理器具は、思いつく限り一通り揃っています。

鹿島でしか買えない商品 (かしましか) が施設内で多数販売されています。

海道しるべ職員の辻。商品開発の支援だけでなく、生産者同士の交流イベントや料理教室なども実施していくことで地域のつながりを強化しています。
■具体的な仕事内容:観光農園を中心とした新しい地域づくりを考えていく。
日々の業務をご紹介します。すべての業務は、担当課や「海道しるべ」の職員と相談の上で進めていただくことができます。すでにある実績(進め方)の共有や、地域の人へのご紹介も職員が寄り添い協働いたします。未経験の仕事、はじめて暮らす地域での仕事でも、安心してください。なんでも話し合い協力し合い、わきあいあいとした雰囲気で働いていただければと思っております。
【活動内容】
①お菓子作り教室の実施 (まずは既存施設で、地域の人と集まり一緒に作業していただく)
・気軽に作れるレシピを学んで、試してみる。
・お菓子づくりのイベントを企画運営する。
・イベント開催時に地域の果物の販売を検討・実施する。
・事業者さんがすでに実施しているお菓子イベントのサポートもする。
②観光農園事業者との関係構築・取材 (地域の食の魅力を発見、発掘する)
・周辺農家への説明・協力依頼。農家の方々との関係を構築する。
・農家さんのお手伝いをしながら、取材する
⇨農園を訪問し、どんな場所で何ができるのかを考える。
⇨農家の思いや本音を知るなど情報収集を行う。必要に応じて観光農園の手伝いも行う。
・海道しるべで販売している会員と仲良くなり、思いを知る。
・観光農園リストを作成する。
③情報発信
・イベントや体験活動の情報発信。
・海道しるべ来場者に向けてパンフレットなど簡易物配布説明。 (A4サイズ1枚程度)
・Instagram (既存アカウント) で投稿。 (ヤギ、商品、施設、イベント、農家さんなどに関して)
④体験コースづくり、営業 (⇦本企画の注力業務となります!)
・観光農園の新規開設支援。
・収穫体験の小規模なモデルコース作成と実施。(季節や月毎に検討)
・旅行会社への体験コース提案。 (鹿島市は祐徳旅行が関わり観光客の受け入れ実績あり)
⇨近隣県、佐賀市内からの日帰りバス旅行を想定。
⇨幸姫や光武酒造(肥前屋)など団体客の受け入れ実績あり。
⑤海道しるべの業務サポート (週2程度を想定)
・販売、加工教室、試作、イベントのサポート。
・加工室利用者のサポート。 (可能な時間をみて対応)
・鹿島市産業活性化施設活用促進協議会として出張販売するときの手伝い。
・活性化施設活用促進協議会の会員との関係作り、イベントサポート。
・月報、復命書、起案書、電話対応。
⑥情報共有
・朝礼:当日の予定確認、報告連絡相談の徹底。
・週1課内ミーティング (隊員、担当職員):業務の予定、進捗、困りごとの確認。
・月1報告会 (隊員、担当職員、課長) :月報提出、鹿島市内協力隊ミーティングも実施。
⑦報告会
・年に1回、活動の報告を行う。
⇨招待する人:職員や事業者など、お世話になった人たち。

海道しるべのオフィス。2014年に開館したばかりのため、新しく明るい環境です。
■3年間のイメージ
地域おこし協力隊としての仕事、3年間の過ごし方(例)を一緒に見ていきましょう。
◯ 1 日の流れ
8時30分~9時00分 市役所に出勤、朝礼
9時00分〜12時00分 海道しるべへ移動、業務サポート
13時00分~16時00分 業務サポートや農家取材
16時00分〜16時30分 事務作業、退勤 (市役所)
※海道しるべでの勤務時は、3シフト制での勤務の場合があります。
◯ 1週間のイメージ
(月曜日)休み
(火曜日)担当課MTG、海道しるべ業務
(水曜日)農家取材 (情報発信の素材収集)
(木曜日)モニターツアーの検討、構築
(金曜日)農家取材 (相談ごと、困りごとあれば共有)
(土曜日)海道しるべイベントサポート
(日曜日)休み
※観光体験やイベントの予定によっては日祝出勤、平日への振替休日となることがあります。
◯ 3年間のイメージ
(1年目)最初の半年は海道しるべに慣れる、生産者と関わることを中心に
・観光農園事業者との関係づくり、取材
・鹿島の特産品を理解
・1年目の後半に、お菓子づくりイベント、観光農園モニターツアーを各1回は実施
(2年目)食にまつわる体験活動を増やしていく
・お菓子づくりイベントを2カ月に1回程度開催
・観光農園モニターツアーを年に4回程度開催
・観光農園への誘導コース、方法を検討
・旅行会社へ観光商品 (体験コース) を提案
(3年目)継続する仕組みとしての観光農園を検討
・農園経営者の思いを反映した農園PR、観光商品の提案
・観光農園の周知、観光商品の充実
・旅行会社の商品取扱数の増加目指す
◯ 退任後のイメージ
▽就職パターン
・任期中につながった地元事業者、農園や企業への就職
▽起業または個人事業主パターン
佐賀での地域おこし協力隊OBOGは、複数の生業を掛け合わせ独立する方が多い傾向です。
・任期中に作り上げた実績、ネットワークを活かして起業
・就農や後継者のいない農園の継承 など
◯ 拠点は?働き方は?
鹿島市役所の産業支援課にデスクが置かれます。海道しるべにもデスクを設置し業務の進捗次第でどちらも活用していただけます。また、観光農園でのサポート業務や、魅力発信の素材集めとして屋外で活動する時間も多くなる点はご承知おきください。
◯ 3年間で向上する能力、キャリアにつながる経験は?
・6次産業による地域活性化に関わった経験
・食品加工や商品化に関する経験と知識
・旅行業に関する経験と知識
・広報活動に関する経験と知識
・コミュニケーション能力、協働する力
・鹿島市での人脈の広がり など
歓迎スキル
◯ 写真や動画の撮影、編集経験がある
◯ SNSでの情報発信に慣れている
◯ 旅行業や商品開発、お菓子づくりなど、業務に活かせる経験が少しある
◯ 農家さんや観光客など、いろんな人とコミュニケーションをとることが好き
必須スキル
◎ パソコンの基本的な操作 (オフィスソフト、SNSの投稿など)
◎ 最低限の書類作成スキル (報告書や企画書など)
◎ 普通自動車免許 (AT限定可)
■観光農園の先輩たちからのメッセージ

みんなの家
永吉さん
夫婦の定年退職のタイミングで民宿を始めたんです。最初は住むつもりで買った山の上の古民家。あんまり景色がいいものだから、自分たちだけで住むのはもったいなくて、ちょっと民宿でもしてみようかと話し合って今に至ります。みかんの木を植えたのは3〜4年前。宿泊とセットで楽しんでいただけますし、みかん狩りだけでも大丈夫。10月から12月までの間に、500人くらいの方々がみかんを目当てにいらっしゃってます。ほんのちょっと前までは、民宿をやることもみかん農家をやることも考えてもいませんでしたから、おもしろいものですね。
これから協力隊として来られるあなたも、いつ、何がきっかけでどう人生が変わっていくか想像もできませんよね。いろいろ不安になることもあると思いますが、一緒にみかんをむいておしゃべりする人が必要な時は、いつでもここに来てくださいね。

近隣の農家さん同士、もっとお客さまに来ていただくにはどうしたらいいかをよく相談するそう。答えのひとつに、みかんの観光農園という手段が見つかりました。

人かな?と思ったら案山子(かかし)でした。収穫の時期に、農家さん同士で集まって案山子祭りを毎年開催しています。

石釜焼きピザを楽しめる『ふなごえPizza農園』
釘尾さんご夫妻
農業は兼業の方も多い仕事です。うちの農園も朝と夕方はアスパラガスの面倒を見る作業。じゃあ空いている昼間の時間を何に使うか考えたときに、他の作物をどんどん作るのではなく、わざわざよそに出かけて働くのでもなく、農園の敷地内でPizza屋を始めることを決心しました。
夫婦二人、できる範囲で頑張っていますが、課題は忙しさ。たとえば、こういう状況があります。産地の特性として農業が一段落する時期は急に忙しい。何かイベントごとを仕掛けたくても人手の空きがない。情報発信にもそこまで手をかけられない。さらに農地とお店の周囲を取り巻く里山の維持管理も、ボランティアでやらなければならない。地域には、時間と人手が足りません。
私たちのような小規模の農家でも、もっと安心して働いて、気軽に挑戦できるような環境づくりとして、観光農業を一緒に盛り上げていただけると幸いです。

家族が集まる日の余興として石窯を作ったことが、Pizza屋の開業につながりました。

一番人気の「アスパラのピッツァ」。産地のものを産地でいただけるのが観光農業の大きな魅力。
一緒に働く担当職員からのメッセージ

佐賀県鹿島市 産業支援課
松丸 (写真左)
鹿島のおいしいものを、たくさん経験していただきたいです。おいしいものを作る人がいて、おいしいものを食べる人がいる。それだけで幸せです。今ある知識、経験にはあまりこだわりません。人と人の間をとりもつキーマンとして、みんなと仲良くできる方が理想的です。
片渕 (写真右)
何よりも、人が好きな方かな。地域の農業に関わる人たちはみんなフレンドリー。私たち市職員を含めて密な関係を築いていて、みんなで集まることも大好き。そういった中に入って、食をともにすることに、楽しさ、嬉しさを感じてくださる人と一緒に働くことができればと思います。
■鹿島市ってこんなところ!
\ 伝統でつながる、まつりごとの町 /
佐賀県鹿島市の特徴には、
・有明海の広大な干潟 (海苔、牡蠣、カニ、ムツゴロウなど、さまざまな海産品)
・干潟由来の肥沃な土と、山間地の地勢を活かした農作物 (米、みかんなど)
・九州屈指の酒どころ (鹿島酒蔵ツーリズムなどが観光客に人気)
・祐徳稲荷神社の初詣や例大祭をはじめ大小さまざまのお祭りが地区単位で続き結束が固い
などがあります。美しい海、平野、山の景色。そして支えあい助けあう人と人。地域移住に夢見た条件の、多くが手に入りそうな地域だと思います。
\ 移住者の受け入れについて /
車で、佐賀市まで50分。長崎市まで60分。博多まで80分。大きな都市までのロケーションも不便がなく、ほどよい田舎として住みやすい地域です。近年は、重要伝統的建造物群保存地区に指定された「浜宿の酒蔵通り」を中心に移住者同士が集まるコミュニティが形成されており、新参の「移住者」にも住みやすいと思います。

水鳥の貴重な生息地として、ラムサール条約に指定された肥前鹿島干潟の景色です。

振り返ると海岸の手前に田んぼ。そのすぐ奥に、低山が連なる佐賀らしい景色です。

海からすぐの、山の上。穏やかな農村風景が、海岸線と並行するように連なっています。

募集要項
募集対象
(1)地域おこし協力隊の地域要件に準じて三大都市圏及び三大都市圏以外の政令指定都市(ただし、条件不利地域を除く)などから生活の拠点を鹿島市に移し、住民票を異動させた者
(2)普通自動車免許を有している者(AT限定可)
(3)パソコンの基本的な操作(ワード、エクセル、メール等)ができる者
(4)地方公務員法第16条の欠格事項に該当しない者
募集人員
1人
勤務地
基本、鹿島市役所(産業支援課)で朝礼を行う。
主な活動拠点は「海道しるべ」、活動内容によって、体験や取材の受け入れ先で勤務
勤務時間
1日当たり7時間勤務:午前8時30分~午後4時30分(休憩は正午~午後1時)
週5日:月曜日~日曜日 シフトによる
※活動内容により休日や時間外勤務もあります。
任用形態・期間
(1)鹿島市の会計年度任用職員として鹿島市長が任用(採用)します。
(2)任用の開始時期は任用内定者と協議のうえ決定し、任期は採用年度の年度末(3月31日)までとします。その後は市が認めた場合は、任用期間を最長3年まで延長します。
(3)市が協力隊員としてふさわしくないと判断した場合には、任用期間中であってもその職を免ずることができるものとします。
給与
月額20万9,923円 (別途、期末手当と家賃補助の支給あり)
待遇・福利厚生
(1)社会保険(共済組合、厚生年金)、雇用保険に加入します。
※自己負担があります。
(2)年次有給休暇は、市の規定に準じます。
(3)活動に使用するパソコン等は、市が貸与します。
(4)活動に使用する車両は、公用車を使用することができます。
※ただし、活動以外での使用はできません。
(5)活動に必要な消耗品等は、予算の範囲内で市が提供します。
(6)研修への参加に係る旅費及び負担金は、予算の範囲内で市が負担します。
応募申込方法
応募申込書を下記の申込・問い合わせ先に郵送またはE-mailで提出してください。応募申込書には、写真の貼付けが必要です。E-mailで提出する場合は、応募申込書 の写真添付欄にデータを添付してください。
申し込み用紙はこちらからダウンロードしてください。(EXCEL 23KB)
申込・問い合わせ先
〒849-1312
佐賀県鹿島市大字納富分2643番地1
鹿島市役所 産業部産業支援課(担当:片渕)
TEL:0954-63-3411
FAX:0954-63-2313
E-mail:sangyo@city.saga-kashima.lg.jp
申込受付期間
令和7年12月3日~令和8年1月12日
審査方法
①第一次選考(書類選考)
選考結果は、合格者にのみ通知します。通知は、1月下旬頃に郵送で予定しております。
②第二次選考(現地面接)
2月10日(火)〜2月12日(木)予定
第一次選考合格者を対象に、鹿島市役所にて面接を行います。なお、第二次選考に係る現地までの交通費は応募者の個人負担となります。
問い合わせ
産業部 産業支援課〒849-1312 佐賀県鹿島市大字納富分2643番地1
電話:0954-63-3411 ファックス:0954-63-2313
