3年越しの思い・・
鹿島市出身で「碁聖」と称される平安時代の囲碁の名人 寛蓮が平成28年7月19日、囲碁の殿堂入りを果たしました。
昨年まで3年連続でノミネートされたものの選ばれず、今回殿堂入りを果たしました。
過去には、徳川家康など、そうそうたるメンバーが名を連ねます。
「碁聖寛蓮」 生誕の地 鹿島市
橘良利(寛蓮)は平安時代の人で、歌人であるとともに当代随一の囲碁の名人であったことから「碁聖」と呼ばれました。肥前の国藤津郡に生まれ、鹿島市の「橘園」現在の「行成」に旧宅があったと言われております。また、天皇の勅命で「碁式」という囲碁のルールや心構えなどを記した書物を作り、913年5月3日に醍醐天皇に献上したと伝えられております。「碁聖」は傑出した囲碁の名人に対する尊称で、現代の囲碁の7大タイトル戦の一つともなっています。 鹿島市では寛蓮の故郷にちなんで、1952年(昭和27)年から毎年春に祐徳稲荷神社において「祐徳本因坊戦」が開催されています。 祐徳稲荷神社外苑には「碁聖寛蓮之碑」があり、台座には歴代本因坊の名が刻まれています。
幅広い世代に愛好される・・囲碁
囲碁は、幅広い世代に親しまれ、コミュニケーション能力を付けるのに役立つなど教育的効果も高く、また、囲碁の持つ論理的な思考能力や考える力を身につけられることから、 囲碁に関する多くの事業が展開されています。鹿島市におきましても、放課後子どもプランの一環として、小学生を対象に毎年「ヒカルの碁鹿島スクール」を開催しております。
囲碁文化を支える人々・・・
平成23年、囲碁発祥の地「鹿島」を全国にアピールしようと「碁聖寛蓮顕彰会」が発足しました。伝統文化である囲碁の魅力を若い世代に伝えようと、囲碁教室などで小中学生への個別指導を行われたりと積極的に活動をされています。平安時代に「碁聖」と称された地元出身の棋士寛蓮の顕彰をはじめ、60年以上続く祐徳本因坊戦の運営を通じて、囲碁の普及に寄与した功績が認められ、第74回西日本文化賞を受賞されています。
碁聖『寛蓮』囲碁殿堂入り表彰
日本で最初に碁聖と呼ばれ、現在の囲碁のルールを確立した「寛蓮」(874年~没年不詳、俗名・橘良利、肥前国藤津郡大村出身(現鹿島市))の囲碁殿堂入りの表彰式が3月28日に日本棋院で行われました。表彰式には碁聖寛蓮顕彰会から藤永勝之会長をはじめ4名が出席し、殿堂入りの顕彰レリーフの伝達がなされました。
顕彰レリーフは日本棋院会館にある「囲碁殿堂資料館」で展示されます。また、碁聖寛蓮顕彰会には殿堂入り認定状と顕彰レリーフのレプリカが贈呈される予定です。