民俗芸能とは

民俗芸能について

皆さん、鹿島市は民俗芸能の宝庫だということをご存知ですか?

鹿島市内には現在,58地区のべ80もの民俗芸能があります。
この数は佐賀県内でも最も多い数です。このうちでほとんどの芸能は「浮立(ふりゅう)」と呼ばれるものですが、どうして浮立と呼ばれるようになったのでしょうか。またいつから演じられるようになったでしょうか。浮立はもともと風情があるものである「風流」に通じ、祭りの行列の中で華やかな部分が独立して演じられるようになったものです。浮立と呼ばれる芸能は西九州一帯に見られ、熊本県や福岡県では風流と呼ばれています。
いつから演じられるようになったのかというと、一部には中世の室町時代にさかのぼるものもあるといいますが、良くわかっていないものが多いのです。

佐賀県全体で見ると浮立にもいくつかの種類があります。「面浮立」「舞浮立・踊浮立」「天衝舞浮立(玄蕃一流浮立)」「行列浮立」「一声浮立」「鉦浮立」「武士浮立」「動物浮立」などです。
このうち鹿島市にあるのは「面浮立」「鉦浮立」「一声浮立」で、ほかに「獅子浮立」が一例あります。また浮立以外の芸能として「獅子舞」があります。

民俗芸能と伝承芸能の違い


「民俗芸能」とは文化財で認められている芸能で、「伝承芸能」とは文化財では認められていないが、地域に伝わっている芸能と民俗芸能を合せた総称と鹿島市のホームページでは規定しています。イメージ的には右図のようになります。


 

面浮立(めんぶりゅう)

「面浮立」は、佐賀県を代表する民俗芸能として全国的にも有名ですが、分布は七浦地区を中心に鹿島市、藤津郡、杵島郡、武雄市、多久市、小城郡そして佐賀郡の一部にまで広がっています。
七浦地区に最も多く、離れるにしたがい少なくなります。各地区の面浮立の伝承によると、やはり七浦の面浮立が各地に広がったのは間違いがないようです。

鉦浮立(かねぶりゅう)

浮立は笛や太鼓、それに鉦を使って囃(はや)しますが、鉦を中心に演じられるものを「鉦浮立」と呼んでいます。この鉦浮立は囃子(はやし)だけで舞や踊りを伴わない芸能です。
佐賀県内には2種類の鉦浮立があります。同じ大きさの鉦を使い、同時に打ち鳴らすものと、大小違う大きさの鉦を何種類か使い、それぞれの鉦で打ち方が異なるものです。

一声浮立(いっせいぶりゅう)

一声浮立は佐賀県西部の有明海沿岸を中心に多く伝えられるものです。

地域によっては皮浮立・太鼓浮立とも呼ばれます。鹿島市内にも10カ所近くに伝えられています。一声浮立は太鼓浮立ともいわれるように、大小の太鼓を中心に囃すもので、面浮立のような所作はありません。
非常に音楽的な要素が強く、囃子(はやし)は洗練され、格調が高いものです。

獅子浮立(ししぶりゅう)と獅子舞(ししまい)

獅子の踊りで、誰もが思い浮かべるのは、「獅子舞」でしょう。

獅子舞は全国にあり、その種類も非常に多いものです。県内にもたくさんの種類の獅子舞が伝承されています。県内には大神楽系統、伎楽系統、散楽系統、浮立系統の獅子舞のほか、鎮魂的な素朴な獅子舞があり、市内には浮立系統の獅子舞(獅子浮立)と鎮魂的な獅子舞があります。

琴路神社(きんろじんじゃ)の馬かけ神事

琴路神社は、広国押武兼日命(ひろくにおしたけかねひのみこと)・吉野水分大神(よしのみくまりのおおかみ)・倉稲魂大神(うがのみたまのおおかみ)の日・水・稲の3つの神様をお祭りしています。このことでわかるように琴路神社は農作物の豊作を祈る神社です。
旧鹿島町・能古見の大殿分・筒口・南川・川内・山浦および古枝の久保山が氏子です。琴路神社は鎌倉時代に中川上流の三嶽(みたけ)神社から琴を流して、その琴が流れ着いたところに社を造ったという言い伝えがあり、「琴路」の名前の由来ともなっています。(つまり、鎌倉時代は中川の流れが現在とは異なっていたことが推察できます。)

毎年11月2.3日に行われる例大祭は今年のお米が収穫できたことをお祝いするお祭りです。この例大祭は前回お話したように獅子舞いや剣つきが演じられますが、このお祭りで一番有名なものはなんといっても勇壮な馬かけ神事があることでしょう。例大祭の神事は2日の早朝に始まります。
まず獅子および剣使いを演じる獅子は、近くを流れる神水川で世話役衆から清水を3回かけてもらって身を清めます。
神社内でお払いを受けた後、神前で獅子舞と剣使いの演舞を奉納します。そして氏子の家々を回って悪魔払いを行います。その後、琴路神社から神輿(みこし)が出発しますが、その行列の先頭に立って露払いをします。
また獅子舞は途中の家々の門前や道の辻でも演舞します。行列は獅子・しめふり(桶に塩水を入れ、榊(さかき)で払う)・先払い(割れ竹で地面を打ちながら進む)・神輿の順で進みます。途中琴路宮に寄り、新町の神宮社まで行きます。

3日の帰りには神輿の後ろに馬がつきますが、琴路神社に入る際に、お供の馬が先を争って境内に入ろうとします。それを阻止する神輿との間で押しつ揉まれつの渦ができます。その後境内に入った馬は神殿の周りを何回も走り回ります。これらの行事が「馬かけ」と呼ばれ、例大祭のクライマックスを飾ります。

お問い合わせ

生涯学習課
〒849-1312 佐賀県鹿島市大字納富分2643番地1
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