環境大臣、国土交通大臣、農林水産大臣が生物多様性保全に寄与する活動計画に対して認定を行う「自然共生サイト」に鹿島市の道の駅鹿島周辺七浦音成地区が認定されました。
いま、世界中で生物多様性の損失危機が叫ばれています。2030年までに陸と海の30パーセント以上を効果的に保全する国際目標(30by30目標)の達成に向けて、国では保全活動計画が実施される区域を「自然共生サイト」として推進し、登録地として環境大臣、国土交通大臣、農林水産大臣が認定します。
鹿島市でも豊かな自然の恵みを活かし、安心して暮らし続けられるまちを目指して道の駅鹿島周辺七浦音成地区の一部『ななうら 干潟とメダカの里』での保全活動を申請し、令和7年9月16日に「自然共生サイト」に認定されました。
地域生物多様性増進法が令和7年4月に施行されて以降、初めての登録となります。
『ななうら 干潟とメダカの里』の認定に際して区域内(約3ヘクタール)での生物調査結果をまとめたところ、256種の動植物が確認されました。そのうち52種が環境省が公表しているレッドリスト(日本に生息または生育する野生生物を対象に、専門家で構成される検討会において生物学的観点から種の絶滅の危険度を客観的に評価してリストにまとめたもの)に掲載されている種類でした。
本サイトは「干潟ゾーン」、「音成川ゾーン」、「めだかの楽校ゾーン」と3つに区分けされており、それぞれ環境が違う場所に対応した生き物たちが住んでいて、山川里海干潟と多様な環境が集約し、豊かな生物多様性を有する鹿島市を象徴する場所となっています。
自然共生サイトの認定では主に着目される生物多様性の価値が9つあります。『ななうら 干潟とメダカの里』はそのうち8つの価値が評価されました。
- 公的機関によって、生物多様性保全上の重要性が既に認められている場としての価値
- 里地里山といった二次的な自然環境に特徴的な生態系が存する場としての価値
- 生態系サービス提供の場であって、在来種を中心とした多様な動植物種からなる健全な生態系が存する場としての価値
- 伝統工芸や伝統行事といった地域の伝統文化のために活用されている自然資源の供給の場としての価値
- 希少な動植物種が生息生育している場あるいは生息生育している可能性が高い場としての価値
- 分布が限定されている、特異な環境へ依存するなど、その生態に特殊性がある種が生息生育している場または生息生育の可能性が高い場としての価値
- 越冬、休息、繁殖、採餌、移動(渡り)など、動物の生活史にとって重要な場としての価値
- 既存の保護地域または自然共生サイト認定区域に隣接する若しくはそれらを接続するなど、緩衝機能や連続性・連結性を高める機能を有する場としての価値
本サイト内で『音成めだかの楽校』、『株式会社 七浦』、『まえうみ市民の会』、『肥前鹿島里山未来拠点協議会』、『鹿島市ラムサール条約推進協議会』が行っている伝統の継承や環境の保全、環境教育などの活動が着目され、有識者から構成される認定審査委員会からは以下の総評が届きました。
『本サイトは、干潟の生物多様性の保全および有明海の伝統漁法を伝える場として高く評価する。』
今後、認定区域は保護地域との重複を除き国際データベースに登録され、観光・環境教育の拠点として『見て・触れて・体験する』コンテンツを活用し、交流人口の増加・地域活性化を推進すると同時に豊かな生物多様性環境を次世代へとつなげることを目標に活動を行っていきます。
令和7年度自然共生サイト認定式で認定証を授与されました
令和7年9月30日火曜日、東京で執り行われた令和7年度自然共生サイト認定式に今回認定を受けた201サイトのうち約150サイトが参加しました。
鹿島市からは市長、音成めだかの楽校が参加し、認定サイト代表として国土交通副大臣から認定証を授与されました。
問い合わせ
建設環境部 ラムサール条約推進室〒849-1312 佐賀県鹿島市大字納富分2643番地1
電話:0954-63-3416 ファックス:0954-62-3717